こだわりが生む美味しすぎる果物 季節(とき)農園

吹田さんのプルーン

黄金桃

以前は、津軽で農園を営んでいた吹田達哉さんと衛信さんご兄弟。 秋になると注文が殺到するほどの美味しいリンゴを育てていた農園でした。

そのころからプルーンにも力を注ぎ「吹田さんのプルーン」と評判に。 吹田さんのプルーンは、すぐに完売してしまうため「幻のプルーン」と言われ、 農園の移転を決意してからも「吹田さんのプルーンをもう一度食べたい!いつまでも待っている!」の声が断ちませんでした。

季節農園として再スタートした時には、「その声に応えたい」「プルーンは必ず育てる」と心に決めていたそうです。

仙台での農業の始まり・・・土づくりのこだわりが生む「美味しすぎる果実」

宮城県利府町・・・ ここに季節農園があります。 5年ほど前、この地に移り住み農園を開きました。

「初め、農園の土を見て愕然としたよ。粘土質で野菜など育たないんじゃないかと思ったほど・・・」そう語るのは衛信さん。 先ずは、土づくりからスタートしました。 試に最初に植えたのは里芋。 根の周りに牡蠣殻と馬糞を発酵させた土を巻き植えてみました。 「そしたら驚くほどおいしい里芋が収穫できたのさ」

「・・・根を大切に守ってあげるとおいしいものが作れる。」 今までこだわってきた発酵肥料作り、土つくりは間違っていない!と確信できた瞬間でした。

自家製の発酵肥料を土に取り込む農法は、何十年も前から行ってきました。 土づくりの知識と技術は誰にも負けない自信がありました。

早速、軽トラックで馬糞や鶏糞を集めてきました。 カルシウム・海のミネラル・養分が入っていてバランスが取れた肥料にするために 牡蠣殻も加工業者から譲り受け砕いて混ぜました。 路肩で草刈りをしている人がいればそこに行って下草をもらい集めてきました。 それを発酵させ土に混ぜ込むのです。

娘さんの嫁ぎ先は水産会社、震災で販売できなくなった魚介類もすべて発酵肥料の材料に加えました。 山の草、海の幸全てが季節農園の土の栄養になります。

以前に比べると人口の多い都会で発酵肥料を作るのは、様々な問題がありました。 匂いで苦情をもらったことも。 「都会の農業は難しいね!」と衛信さんは笑います。

堆肥の山をひっくり返す作業も、機械で作業を行うと発酵過程で生じる匂いなどの問題が発生します。 そのため、ここでは地道に手作業でひっくり返す作業を行います。

有機肥料と微生物

土の中には無数の微生物が存在します。 この微生物と植物の成長はとても強いつながりがあるといわれています。 有機肥料は、土中の微生物の餌。この有機肥料をたくさん食べて微生物が活発に働きます。 活発な微生物は、植物に栄養を送り込む働きをします。微生物の多い土では、植物は養分をたくさん吸収でき、栄養のある美味しい作物が育つのです。 手間を惜しまず、土を元気にすることが「美味しすぎる果実」の収穫につながります。

そんな吹田さんの苦労が実を結び、4年目を迎えると土は見違えるほどよくなりました。 今年に入ると、吹田さんの理想とする新枝の成長を見ることができたそうです。

適切な剪定・・・高度な技術

また、大切な作業の一つに剪定作業があります。 全ての木の状態を見ながら適切に選定し、これから育っていく果実に均等に日が当たるように、かといって剪定しすぎても美味しい果実は実らないという熟練の腕を必要とする作業によって「美味しすぎる果実」が収穫できるのです。

こだわりのプルーン

利府は梨の名産地。 農業試験場の先生たちからは、プルーンは、青森とは環境が違うからと止められたそう。 「やめろ!と言われる程、挑戦したくなる。」と達哉さんと衛信さん。 「気候の厳しい津軽でも育ててきたのだから「仙台でもやれる!」と思っていました」 「プルーンを育てる自信はあった」 「なにより待っていてくれるお客さんがいることが力になった」といいます。

反対を押し切り、プルーンだけ500本植え栽培を始めました。 プルーンの最大の敵は実割れです。 検討して実割れしないといわれる品種だけを選んで植えました。 津軽にいた時には、紫に色づきもう一息で収穫できるという時まで実割れの被害はありませんでした。 しかし、宮城での一年目は津軽よりも早く、8月に実割れが発生してしまいました。この年は全滅に近かったそうです。 気候の違いで、実割れの時期が違うことを知りました。 それから、試行錯誤を繰り返し年々実割れの数が少なくなってきました。

今年は実割れの対策の一つとして、手作りの雨除けを作っています。 既存のビニールハウスではなく、太くて丈夫な孟宗竹を家族でトラックで運び、雨除けの土台として畑に設置しました。 竹で組んだ梁の上にビニールを敷き、風で飛ばないように漁捕用の網をかぶせた本格的なもの・・・全て手作りです。 これが出来上がれば、昨年よりももっともっとたくさんのプルーンが収穫できる!と楽しそうに笑います。

季節農園の美味しすぎるプルーン

このように手間暇惜しまず手をかけて大切に育てた吹田さんのプルーンは、酸味と甘みのバランスのとれた果実に成長します。

実った美味しいプルーンは木で完熟させ収穫の時期を見計らいます。 実の付け根に皺がよったら完熟のサイン。 木の上で熟したプルーンは、太陽の光をいっぱい浴びてそれはそれは味が濃くジューシー。 スーパーなどで売っている多くの見栄え重視の「収穫後追熟プルーン」とは比較にならないほどの美味しさなのです。 「これがまた、美味しすぎるプルーンでね!」

季節農園の驚きの桃

季節農園の桃は「黄金桃」 その名の通り黄色に輝く桃。

「黄金桃」は収穫期間が短く、収穫量の少なさと、栽培の難しさもあって市場にも出回らない正に「幻の桃」です。

子供たちに「美味しい桃を食べさせたい」という気持ちで、難しいけれどあえてこの桃を栽培することを選びました。

「桃の缶詰より甘い!」

まだ、販売を開始していなかった昨年、ご近所におすそ分けをしたところ、「あまりにも美味しすぎる」と大評判。 お願いだから売ってくれ!と懇願されたほどの美味しさ。 果実は硬くてパリパリしているのに、「桃の缶詰より甘い!」と今までにない美味しさの桃と言われたほど。

桃は一般に収穫の3日前から雨が降ると糖度が下がる果物です。 昨年は、雨が降る前は糖度17度〜20度だったものが残念ながら雨が降って13度〜14度に落ちてしまったそう。 それでも十分に甘く、美味しかったといいます。

まだまだ収穫量も少なく、販売には至らない黄金桃です。 来年には・・・期待することとしましょう。 ※やわらかい桃が好きな人は3日くらい置いておくと、とろっととろけるジューシーな桃になるんですって・・・

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