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お歳暮 2008 取り寄せスイーツ
  • 0212 月

    第三項 【クリエィティブの世界】
    ■ 『業界・グラフィックデザイナー』
    ● グラフィックデザイナーが持つ、個性豊かな能力

     一言でデザイナーの仕事やセンスと言っても、その能力の種類は実に多種多様です。業界説明の印刷会社の項で、デザインに素人の広報マンがプロデューサーとしての役割を果たしていくために、「眼」養うことの重要性をお話ししました。デザイナーを選択する際の判断基準として、技術レベルや作風以外にも重要な判断基準がいくつかあります。
     コマーシャルの世界におけるデザイナーは、作品を売買して生計を立てているわけではありません。この世界のデザインはあくまでも商品を宣伝したり、よく見せたりというアレンジメントの役割を担っています。
     単なる自己主張であるアートは、作家自身の感性だけで勝負して構わないのですが、商品や広告を際立たせるデザインとなると、デザイン能力だけではなくマーケットに対する感性や人間に対する洞察力なども必用になってきます。
     このように様々な能力が求められるデザイナーですが、デザイナーの能力を判断する際の基準フィルターは以下の5項目です。

    1. ライフスタイルを理解する眼力
       商品を売るためにはターゲットとするエンドユーザーの分析が欠かせません。充分な科学的なマーケティングの結果、朧気なエンドユーザーの概要は把握できますが、商売ではどの業界でも最後は科学的に判断できないアナログ的、感覚的な経営判断が必用とされます。
       エンドユーザーのライフスタイルの分析も非常に感覚的な要素が必用です。商品を活かす広告やパッケージなどのデザインをする場合、このライフスタイルを見抜く眼はデザイナーにとって非常に重要な要素となります。
       芥川賞を目指す純文学の作家や、純粋芸術としての絵画を目指す画家はしっかりと自分の世界に入って、世の中との関わりは最低限で良いのかもしれません。しかし、こと広告美術の世界では、世の中をかなりミーハーに多角的に観察できる能力を持っていることが望まれます。消費者に訴えかけるデザインパワーは、この「ニーズ=ライフスタイル」を理解していることが最低の条件となります。つまりライフスタイルを見抜けなければ良い仕事は出来ないと言うことです。
       このライフスタイルの把握は才能よりも日常的な観察眼を必用としますので、ちょっと引きこもり気味で世間に触れるのが億劫になったりすると、たちまち時代から取り残されていきますので非常にやっかいです。
       特に地方のデザイナーにとって、日常的に触れることのできないライフスタイルの把握は非常に困難な作業です。例をあげると、海に関わる遊びの世界において、サーフィン、ウィンドサーフィン、外洋クルーザー(ヨット)、ディンギーヨット、パワーボート、潮干狩り、海水浴では同じマリンテイストでもそこに存在するライフスタイルはまったく異質なものです。そこを理解していないと、浮き袋をしたサーファーや、外洋クルーザーと潮干狩りといった訳の分からない作品がでてきたりします。それでもデザイナーはかなり本気であったりします。
       都会では仕事のニーズが細分化しており、デザイナーも一つの得意な世界に肩まで浸かって勝負できるのですが、地方のデザイナーはオールラウンダーでなければなりません。なんでもやらなければ食べていけません。この点は地方のデザイナーの大きなハンデキャップです。優秀でありながらも地方で埋もれていくデザイナーが多いのは、細分化したある分野で仕事をするのも難しければ、仕事の幅を広げなければならない割には幅広いライフスタイルを理解できるチャンスが無いことにあるのではないでしょうか?
       ライフスタイルのお話が、中央と地方のデザイナーの比較論になってしまいましたが、デザイナーに望まれる大きな能力の要素として、基本的なデザイン能力の次にこのライフスタイルの分析力は欠かせないものと言えるでしょう。
    2. 図形感覚
       図形感覚はほとんどのデザインコンペにおいて最重要視される要素です。個々人が政治や社会問題にシビアにかかわる機会があまりない日本においては、ポスター展などにおいてもテーマ性より図形的な面白さが評価される場合もあります。
       遊び心ある構成、複雑ながらもバランス感覚溢れた構成、アンバランスのバランス、深い三次元的な構成とその面白みはつきません。
       当然ですが、この図形感覚にも才能の高低があります。幸いこの要素は都会とか地方といったハンデキャップはありません。ただし、上手い下手が一目瞭然です。デザイナー本人が納得していてもカッコの悪い図形は誰も評価しません。
       特にロゴマークやロゴタイプでは、図形感覚の才能のあるなしが極端に出ますので、CIなどでこれらのツールを依頼する際には、発注予定のデザイナーの過去の作品を充分に見せてもらい能力を見極める必用があります。
    3. 色感覚
       人間の感覚の中で、視覚における色感覚は絶対的な感覚ではありません。かなり後天的な要素が大きい感覚です。生まれつきの盲人の方には色という概念がありません。
       また、色は同じ色でも感情に及ぼす影響に個人差があります。これはかなり本能に近い原体験(プリミティブな体験)に起因します。そのほとんどは生まれ育った環境や幼児体験に根がありますが理屈では説明がつきません。また、長い人生の中で、喜怒哀楽のど真ん中で接した色には、その人ならではの思い入れが生まれ、後天的な好き嫌いが発生します。
       このように経験という枠組みの中で好き嫌いが生まれる色ですが、やはりカッコイイ色の組み合わせや、安らぎのある色の組み合わせがあるのも事実です。そして、こういった多くの人に評価されながらも、オリジナリティを発揮できるカラーコーディネートの才能は、グラフィックデザイナーにとって欠かすことの出来ない才能と言えます。
       色について私ならではの解釈をさせていただきますと、評価されるカラーコーディネートとはおおよその場合「生命」に対してポジティブな要素を含んでいるような気がします。「生命」についてポジティブな色を選べると言うことは、逆に「死」を肯定し、死臭を臭わせるような極めてネガティブな要素の色も理解していると言うことです。つまり生を肯定する善なる要素から、究極の悪である死を愛する要素まで見極める能力があり、それを感覚的に色に当てはめられる脳力があればカッコイイ色選びができる可能性が高いかもしれません。
    4. デッサン力
       グラフィックデザイナーはみんな絵が上手いと錯覚している方も多いようです。残念ながら絵の下手なデザイナーはたくさんいます。グラフィックデザインの世界において特に絵を主として仕事をしている人はイラストレーターと呼ばれ、一流の方はイラストだけを仕事にしていますが、ほとんどの人はイラストも描けるデザイナーとしてお仕事をなさっているようです。
       画家にとってデッサン力は必用条件ですが、現代のグラフィックデザイナーにとっては他の要素より抜きんでて必用とされる最優先の才能ではありません。むしろ、デザイナーとイラストレーターは別物と考えて仕事を組み立てるケースがはほとんどです。
    5. レイアウト能力
       レイアウト能力は現代のグラフィックデザイナーにとって、一番実務的な能力と言えます。パンフレット、リーフレット、チラシ、雑誌の編集など、需要の多い印刷の仕事において一番必要とされる能力です。図形、色、デッサンの能力とは違い、あるていど経験や学習でごまかせるのが特徴です。
       この分野で超一流のデザイナーはエディトリアルデザイナーとよばれ、本の装丁を専門で手がけていらっしゃる方もいます。

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