第三項 【クリエィティブの世界】
■ 『業界・カメラマン』
● カメラマンの概要
カメラマンという職業は大きく分けると、スチールカメラマンとムービーカメラマンに分類されます。
スチールカメラマンは、昔から写真と呼ばれる静止画を撮影するカメラマンです。ムービーカメラマンは、ビデオや映画フィルムなどの動画を撮影するカメラマンを指します。
スチールカメラマンの撮影方法は、昔ながらの銀盤フィルムを使った撮影とデジタル方式による撮影があります。昔ながらのフィルムによる撮影の場合、フィルムのサイズにより使用する撮影機材も小型から大型のものまで使い分けます。
ムービーカメラマンの主な撮影方法は、アナログ信号式VTR、デジタル信号式VTR、そして映画フィルムの三つです。日本の業界では特に映画フィルムのカメラマンを、昔ながらの伝統とその撮影技術の難しさから、尊敬を込めてキャメラマンと別称で呼んでいます。
カメラマンの世界は、スチールでもVTRでも撮影者の興味の対象や商売としての成り立ちにより多くのジャンルが存在します。このジャンルは被写体、哲学、作風そしてカメラマン本人の生き様と実に多種多様で、人生の選択肢同様の無限の可能性と幅があります。「人生の目的が見いだせず、ただ食べるために写真家になったが、写真の世界には人生の選択肢以上のテーマと被写体があった」という笑うに笑えない話もあるくらいです。
スチールカメラマンの場合、特に広告写真の世界においては、細かく分類されたジャンルの一つを選択し、高い専門性で勝負しているカメラマンも多いようです。必然的に高い専門性という土俵での戦いとなれば、その感性と技術表現は平均値を遙かに上回った非常に高い次元のものとなり、他のジャンルからの参入はなかなか困難なものとなります。
こういったジャンルはある面カメラマンが何が得意かを公にすることであり、撮影を依頼する側にとっては得意不得意でカメラマンを選択できますので、作りたい広告素材に合わせて、適材適所のカメラマンを比較的容易に選択できることに繋がります。
特筆すべきは、こういった高度の専門性を持ったカメラマンのニーズは、地方に行くほど減少し、むしろ地方ではこういう専門性が逆にマイナス要素となることも少なくありません。つまり「これしかできない」ではなく「何でも出来る」ことの方が地方の発注者にとっては重宝ということでしょう。
ムービーカメラマンの場合、テレビでの放映を中心に業界が構成されているので、あまりにも専門性が高いカメラマンよりオールラウンドな人材が重宝がられるようです。
スチールカメラマンとムービーカメラマン、そしてカメラマンの得意分野であるジャンルを理解することが、クリエーティブプロデューサーとしてカメラマンとつき合う第一歩です。



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