第三項 【広報業務・リスク&教訓編】
■『広報マン永遠の職業病・板挟み』
最後になりましたが、広報マン永遠の課題である「板挟み」についてお話ししておきましょう。
広報マンは長生きできないと業界ではよく言わます。広報マンが抱える多くのストレスの中で、どの会社でも共通でかつ一番大きな悩みが「板挟み」ではないでしょうか?
卵サンド、ツナサンド程度なら良いのですが、広報マンの「板挟み」はチーズ入り野菜サンドのマヨネーズのように、その立場は複雑を通り越しペースト状にドロドロしています。野菜サンドのマヨネーズと言うよりは、おせち料理のお重の仕切のような立場と言った方が適切かもしれません。前には厚焼き卵が、後ろには栗金時がべっとりと仕切である広報マンに接してそれぞれが勝手な主張をしているような感じです。
会社の為によかれと思って取材を受け入れれば現場からは文句が出る。現場の対応が悪ければ取材に来たマスコミには話しが違うと文句を言われる。印刷物を作るために、社内の意見をまとめなければならないが、各部署の主張が強すぎてどうにもまとまらない。印刷物の納期はどんどんせまり、見切り発車をすれば文句が出る。せっかく作った印刷物に小さな誤植でもあったら大変、鬼の首をとったように社内外から罵声をあびる
こういったケースはしょっちゅうで「板挟み」が生み出すストレスはひっきりなしに広報マンを襲います。何故広報マンは板挟みになりやすいのか、そしてそれは何故改善されないのか主な理由は以下の通りです。
- 「世論」「マスコミ」「営業」「現場」など立場が違う複数の意見を尊重して仕事を組み立てなければならない。違う立場の仲裁役ならば気が楽であるが、絶えずそれぞれの立場の当事者であり敵対者の両側面のバランスの上で仕事を組み立てなければならない。
- デザイン、コマーシャル、CIなどという極めてな感覚的な仕事が多いため、社内外ともに個人レベルの好みで意見を言ってくる場合がほとんどである。そしてその問題は仕事の前の意見のとりまとめ時も、仕事の後でも絶えずつきまとう。他人の意見に素直になればなるほど良いものは出来ない。他人の評価を気にし始めたら際限のない苦しみを背負ってしまう。
- 経営トップの意志を代弁する機会が多い。そのためその意志に反対の意見を持つ社員がトップには口に出せない事を広報にぶつけてくるケースが多い。
- 好むと好まざる関わらず、多数の個性的なマスコミの人間とつき合わざるをえない。そしてその関係は対等であるケースは非常に少なくかなり奴隷的な場合が多い。
- 接待の機会が多く、複雑な人間関係の中で絶えず相手に気配りをし、意見を合わせざるを得ない場合が多い。
- 仕事がハードであるとともに、非常に派手な側面も併せ持っているので、内情を知らない人間は表面的な派手さに憧れたり嫉妬したりする。
- 何の仕事をしているのかごく普通の社員には理解できないので社内評価を得ずらく、経営的にも極秘事項に接する場合が多く、いちいち言い訳していられない。
等々があげられますがこれらの問題は解決できることではなく、広報マンの持病あるいは職業病と思って、ストレスを緩和しながら気長につき合っていかざるをえない問題であると思います。広報マンのストレス対策は以下の点がポイントです。
- 社内、社外を問わずコミュニケーションを楽しめる人間になる。
- 仕事の目的をはっきりさせる
- 社内外に一人でも多くの理解者を増やす
- 完全主義に陥らない。100点満点は狙わない。ミスは当然、85点人間をめざす。
- 人は心に善悪を併せ持ち、人とつき合うと言うことはその両方とつき合うことであると認識する
自分なりのストレス解消方法を見付けることは、痔持ちの人が座薬を、胃潰瘍気味の人が胃薬を持ち歩くようなものです。なんとか自分なりのストレス解消方法を見つけ出し、ポジティブに仕事に取り組まれることを願ってやみません。



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