岩手県北部の奥中山高原に三谷牧場はあります。
三谷牧場では20頭の牛が10haの牧草地と、10haの山林を自由に散歩をしながら草を食べています。
山の斜面に広がった雄大な牧草地で、牛たちがのんびりと草を食べている光景はとてものどかです。
牛と言えば白と黒の模様のホルスタインを思い浮かべますが、三谷牧場のではすべて茶色の牛「ジャージー牛」を飼育しています。
ジャージー牛は小型の牛で、搾乳量も他の牛に比べて少ないのですが、乳脂肪率が高くカロチンを多く含み濃厚な質のいい乳を出してくれます。
三谷牧場は、全国でも数少ない自然放牧の牧場、冬を除いた5月〜11月までの間、牛を放牧しています。
ストレスのない三谷牧場のジャージー牛たちはとても健康に育ち美味しい牛乳を出してくれます。
春から夏にかけて、ホワイトクローバーやタンポポ、稲科の植物といった青々とした草を思う存分食べているので、牛乳には沢山のカロチンが含まれます。そのために、黄色みがかり、みずみずしいさらりとした味わいの牛乳になります。秋にはクマザサなども食べ、徐々にコクが増してきます。そして冬は夏の間に刈り取った干し草などを食べますので、乳中の水分が減り、乳脂肪分は6%まで増え、色は白くコクのあるクリーミーな風味になります。
自然放牧ならではの四季折々に変化する、本来の牛乳の味を楽しむことが出来ます。
牛たちのごちそうである牧草の土壌づくりにも気を配っています。
この牧場で牛を飼い始めた年は、餌の食いが明らかに悪かったそうです。
そこで、ミネラルのバランスやカルシウム、など地中の栄養バランスを考えながら土づくりをし、種を蒔き直したところ、沢山食べてくれるようになったそうです。
「牛たちも美味しい草がわかるんですね、化学肥料を抜いたあとの草の食べ方が全く違います」と、牛たちのごちそうにも細かい心遣いをしている三谷さんの牛乳は安心して飲むことが出来ます。
低温殺菌のノンホモジナイズの牛乳は、乳酸菌を入れても固まりにくいという特徴があり、一般的には、高温殺菌で脂肪球を均一化処理をしてヨーグルトを作ります。
それではジャージー乳の美味しさが損なわれてしまうと、低温殺菌のノンホモジナイズにこだわりました。
そこで、乳酸菌を調整したり、発酵時間を通常よりも長くしたりと様々な工夫がされています。
もちろん凝固剤、防腐剤、香料など一切使用していません。
何故低温殺菌は美味しいのか。
牛乳の殺菌には低温殺菌と高温殺菌があります。
高温殺菌は120℃で2〜3秒の高温処理を行うことにより、菌がほぼ全滅し保存性に優れると言う利点があります。
しかし、牛乳に含まれているタンパク質やカルシウムなどが変成してしまい、体内に吸収されにくくなると言われています。
低温殺菌は、65℃の低温で30分かけて殺菌する方法です。低温で処理をするために高温殺菌に比べると賞味期限が短いのですが、タンパク質やカルシウムなどの栄養素の変成がなく、風味を損なわないという利点があります。
ホモジナイズとは、牛乳に含まれる脂肪球を均質化する処理を行ったもののことをいいます。
この処理は、本来牛乳を置いておくと出来るクリームの層を出来なくするため。また、工場で牛乳を通す管に脂肪が付着しないようにするために行います。
そのため、ホモジナイズ処理を行った牛乳は、クリーミな風味は損なわれてしまいます。
ノンホモジナイズは、この処理を行わず、牛乳本来の絞り立てのクリーミーな味わいを楽しむことが出来ます。
三谷牧場の美味しい牛乳が基本。厳選した乳酸菌と三谷牧場のジャージー乳だけで作っています。
ジャージー乳に合う乳酸菌を見つけ、細かいレシピを考案するまでに沢山の牛乳と半年もの期間を費やしたそうです。
自宅で少量のヨーグルトを何度も作り「これだ!!」と決めても、作る量を増やすと思うとおりのものが出来あがらない等、数々の失敗を繰り返し、試行錯誤の末、やっと納得のいくヨーグルトが出来上がったといいます。
出来上がったヨーグルトは、ヨーグルトの常識を覆すくらいの濃厚なクリームが上部に浮かんでいます。
クリームチーズのような味わいの上層から下層にいくほどさっぱりとした上品な後味のヨーグルトになります。
混ぜながら食べるとコクのある濃厚なヨーグルトとして味わうことが出来ますし、パンにぬってもクリームチーズのような口当たりで美味しく頂けます。ひとつのヨーグルトで何通りにも楽しむことが出来ます。
この濃厚さはまるでクリームチーズのような味わい。
そして!!
濃厚なクリーム層のしたから顔を出す真っ白なヨーグルトはジャージー乳の美味しさがそのまま生きているぷるんぷるんの食感。
「こんな食感のヨーグルトは初めて!!」と、感動を伝えてくれるお客様続出の、とても美味しいヨーグルトです。
ジャージー乳特有のコクと甘みを最大限に活かし、乳酸菌の酸味もとてもバランスがいい。
内容量は300mlと食べ応え十分!大満足の「金のヨーグルト」です。
製造方法は、モッツアレラチーズの工程と同じなのに、三谷牧場のチーズはモッツアレラの認識を覆します。
食感、味、そして色。モッツアレラとは全く別物。
料理人にこのチーズを見せると、まず最初に、この金色に輝く色に驚くといいます。
「パスタにのせたときに、トローリととろけるチーズを作る」これが三谷牧場のチーズのコンセプト。 実際に食したチーズは、濃厚なコクがあり、バターのような風味のする、とろけーるチーズでした。 熱を加えると、光沢が生まれ、ますます金色に輝きます。溶け出した黄色い液は、チーズのジューシーさを物語っています。 これが三谷牧場の「フレッシュチーズ」の特徴。
三谷牧場のフレッシュチーズは2種類の乳酸菌とレンネットを使用し全て手作業で作られています。 ジャージー乳の特徴なのか、開発当初、分量どおりのレシピで作ると固くなってしまい、ちょうどいい柔らかさにたどり着くまでには、やはり試行錯誤を繰り返したといいます。
成型したチーズをいれる食塩水は、ベトナム産の自然海塩を使用しています。 にがり特有の苦味のない食塩を求めて、甘みのあるこの食塩に決めたそうです。
製造日は、週一回。もちろん大量生産は出来ません。一回に造るチーズの量は、多くて20kgとっても希少なチーズなのです。
自然放牧の三谷牧場の牛乳の味が四季折々に変化するように、金のヨーグルトやフレッシュチーズも季節の味を楽しむことが出来ます。
4月〜6月春味 、7月〜9月夏味
10月〜11月秋味 、12月〜3月冬味
※新鮮な商品をお届けするために、月曜日までのご注文分を木曜日に発送させていただきます。
(銀行振込の場合、月曜日までに確認させていただきました分を受付とさせていただきます)
牧場主の三谷剛史さんは大阪出身。東京農業大学を卒業後、日本各地の農場で働き牧場の仕事や知識を習得し、平成13年に県の就農事業に応募し、奥中山を三谷牧場の地と決めました。
そして、数年は準備期間で近くの農場を手伝い、平成16年に独立し、13頭の牛を飼い始めました。
試行錯誤の上、平成18年5月「金のヨーグルト」の販売を開始し、特産品コンクールで最高賞である県知事賞を受賞しました。
三谷牧場に訪問したのは、お盆も過ぎ岩手県では暑さも幾分和らいだ8月末。
天気はすこぶる良好な取材日和でした。
長靴をお借りして、いざ牧場へ!!
牛たちは、木陰で涼んでいました。
ところが、私たちが近くに寄ると……かな?
みんなで太陽の下に出てきてくれました。
はいかぶり、あまくろ、ぼたもち……みんな可愛いあだ名が付いています。
目がぱちっとしていてなかなかの美人揃い!?
好奇心旺盛で、みんな寄ってきて!! 囲まれてしまいましいた。
くんくん……くんくん……
「誰?誰?この人たち!誰?」と、でも言っているよう。
普段、牛に囲まれるようなことのない私です。ちょっと逃げ腰……
思う存分ご挨拶を済ませた牛たちは、私たちに背を向けて広い牧草地に草を食べにいきました。
穏和そうな牛の群れですが、初めて三谷さんが牛を解き放した時、牧草地で喜んで走り回るだろうと予想していたのですが、上下関係を決める戦いが始まったのでビックリしたというエピソードを教えてくださいました。「まさに、牛社会の、大奥ねっ」と。
取材も一通り終了した後、新鮮な牛乳を頂いだきました。
今回は、夏の牛乳を頂きましたが、牛乳特有の臭みが全くなく、ほんのり甘い。さっぱりしているのにコクがある、今までに味わったことのない感動的な美味しさでした。この牛乳を飲んだら牛乳嫌いなんていなくなってしまうのではないでしょうか。
こんな牛乳毎日飲めるなんて、うらやましい!!
この新鮮な牛乳を使ったヨーグルトです。間違いないと確信しました。