大迫チーズ生産組合

召しませ極上チーズ

岩手県花巻市大迫町で作る極上のチーズ早池峰醍醐スカモルツァスモーク、モッツアレラ、ストリングス、カチョカバロ

トロッととろける極上旨いチーズ。大迫チーズ生産組合の早池峰醍醐。今まで、数々の名だたる名舌の人たちをも感動させてきた絶品。

それもそのはず。全行程全て手作業で、愛情込めて作り上げる希少なチーズなのだから。

冷蔵庫から出して、時間を置く。時間が経つにつれ、ねっとりとした旨みに変わる。

フライパンで焼いて食べるもよし。カリッと香ばしく焼けた表面。そして中はトロッととろけ出す。味は、焼いた方が濃厚にそして、ミルクのいい香りが一層美味しい。

ふわっと広がるチーズの旨みは、「美味しい！」という言葉ではもったいない。

地元に密着したチーズ「早池峰醍醐」

岩手県花巻市大迫町。ここは、北上山地の最高峰を望む早池峰山の麓の町。自然の恩恵を賜る風光明媚な地域で、風土気候が葡萄の栽培に適していたことから、葡萄の産地としても知られ、ワインの町としても有名な土地。

そこでチーズを作り続けているのが、大迫チーズ生産組合　組合長　伊藤行雄さん。「ワインの美味しい土地でワインに合ったチーズを作る」その思いで40年ほど前の1974年から地元の新鮮な牛乳を使いチーズを作り始めた。

そして、地元に密着したものという意味で「早池峰醍醐」と名付けた。

包丁からピザ窯まで、ないものは自分の手で作ってしまう伊藤さん。職人気質な一方、垣根のない人柄で、地元では、ピザのおじちゃんとしても有名人。伊藤さんの周りには、いつもたくさんの人たちが集まっている。

早朝より始まるチーズ作り

200リットルの牛乳が牧場から届けられるのが早朝5時。ここで使われる牛乳は、ホルスタインと東北ではここだけというブラウンスイスの乳をチーズに適した濃厚な牛乳にブレンドしたもの。

濃厚で、チーズに最適な牛乳だというこのミルクを一口いただくと、まさに「濃厚」。この牛乳からチーズが出来上がるのかと納得がいく早池峰醍醐の香りだった。

牛乳を低温殺菌し、作業が始まる。一工程、一工程全てが大切な作業。チーズ作りはタイミングと、カンと卓越した伊藤さんの技術で作られる。10時間以上の作業を経て「なめらかな極上チーズ」が出来上がる。

シンプルなしかし、こだわりの材料

材料は牛乳と乳酸菌と酵素（レンネット）のみ（仕上げ時に塩水も）。低温殺菌した牛乳に乳酸菌、レンネットを加え、時間を置くとまるでヨーグルトのように固まってくる。

固まった牛乳を丁寧に細かいサイの目に切って撹拌し、カード（個体）とホエー（液体）に分ける。この作業を何度も繰り返し、水分が抜けた塊になる。

カードを作業しやすい的確な量に切り、熱湯の中に入れのばしてちぎって形を整え、冷水で固め、塩水に漬け、冷蔵庫で乾燥させる。これらの作業を、機械を使わず全て手作業で行うのだから美味しくないわけがない。

衝撃を受けた和

伊藤さんから手渡された今まさに熱湯の中で泳いでいたチーズ。そして、小さなお皿にわさびと醤油。

わっ！「和」

衝撃的な出会いだった。チーズのフレッシュさが醤油と合う。口の中でフレッシュさがはじけた！！次に、塩。これまた、チーズの美味しさを引き立てる。和の味にも合う伊藤さんのチーズならではの体験だった。しかし、これは、工房に行った私たちの特権?!だよね。伊藤さん「モッツアレラはすいとんに入れても旨いんだよ」と教えてくれた。

定番のスカモルツァスモーク・モッツアレラ・ストリングス

伊藤さんのチーズは、スカモルツァスモーク・モッツアレラ・ストリングスが定番。そして、寒い季節だけに作られる「カチョカバロ」

成形の仕方でこんなにも変わるのかと思うほどのそれぞれの美味しさを味わえる3種。モッツアレラはフレッシュさを。ストリングスは、食感を。そして、スカモルツァスモークはスモークの香りを楽しめる。

季節限定コクのカチョカバロ

モッツアレラが新鮮だとしたら、カチョカバロは熟成の旨み。

本場イタリアではキッチンにぶら下げて必要な分だけナイフで削って料理に使う。イタリアでチーズは「日本で豆腐屋さんから豆腐を買ってくるような気軽で身近な食材」

南イタリアの言葉で「カチョ」はチーズ、「カバロ」は馬の意味。

チーズを吊り下げている姿が、馬の鞍の左右に荷物を運んでいる姿に似ているから名前が付いたそう。数ヶ月熟成させたものから、10年以上熟成したものも！味はマイルドで酸味が強くなく、熟成ならではのコクがある。熟成期間が長いほど、コクに刺激が加わる。

伊藤さんがカチョカバロを作るのは気温が低い冬の間だけ。気温が低くないと美味しいカチョカバロができないんだそう。

カチョカバロを輪切りにし、フライパンで焼く。フライパンで焼いた面が茶色くカリッと香ばしく焼け、上はトロッととろけ出す。すかさず、フライ返しでひっくり返す。これで、もう何もしなくていい。

ワイン、ビール、日本酒・・・なんにでも合う。いい塩梅の塩味がミルクの香りと相まって・・・たまらない！！