僕が生まれたのは岩手県の沿岸、山田町。 この辺の海岸は「リアス式海岸」と呼ばれていて、まるでノコギリの歯のようにギザギザとした複雑な地形が特徴の海岸なんだ。 その中でも山田湾は湾の入り口が狭くて波が穏やかなことから、カキやホタテの養殖がとても盛んなんだよ。特に殻付きカキは生産量がなんと日本一!大粒で旨みがあり、全国でも美味しいって評判なんだ。
僕はその山田湾の中で佐々木俊之さんに育てられているんだ。佐々木さんが言うには、山田湾は汚れていないから牡蠣自体が綺麗で身の付きも良いんだって。 と、いうことで山田湾の綺麗な海と佐々木さんに大事に育てられた僕はとても美味しいのです。えへっ。
佐々木さんが船を出してくれて、牡蠣くんが育っている場所に向かいました!
取材日は9月末の曇りの日。船の上はちょっと寒い・・・w(XoX)w。
ここが山田湾の入り口!入り口が狭いので湾の中は波が穏やか。
海の上に浮かぶいかだのような「棚」に牡蠣やホタテを吊るして大事に育てています。
海中に入っていた1本の紐を引き上げると、牡蠣がびっしり!
とれたての牡蠣!殻いっぱいに身が入っていてプルプル!!この牡蠣が牡蠣くんになるんです。そのままいただきました!おいしい!!
山田湾に浮かぶ大島。泳いでいる魚が船の上から見えるほど、水が綺麗。牡蠣くんはこんな綺麗な海で育っています。
「戻って美味しい牡蠣くんを作るよ!」
僕を作る前は牡蠣の燻製は食べたことがなかった、という佐々木さん。僕が完成するまでには、色んな大変なことがあったんだよ。 中でも苦労したのが味付け。「これ」というものが見つかるまで2年間も研究を重ねたんだって。そして完成したのが塩とオリーブオイルのみ、というシンプルな組み合わせ。シンプルだけど、その中には佐々木さんの工夫が凝縮されているんだ。
燻製に使うのは国産の桜チップ。塩はいくつもの種類を試して一番相性が良かった沖縄の天然塩。そしてオイルは世界中の種類を試した結果、燻製の風味を損なわないオリーブオイルを見つけたんだ! 試行錯誤を重ねたその味は、程よい塩加減と風味の良いオリーブオイル、燻製の香ばしさが心地良く、瓶の中の全部の要素が牡蠣の魅力を引き立てているんだ。牡蠣好きな人はもちろん、牡蠣が苦手な人だって美味しく食べられるっていうからその味は本物だね!!
(1)牡蠣の殻を剥く。(1日およそ15〜20キロ、多い時で30キロ。全部手作業で行います!)
(2)粒子の細かい蒸気で牡蠣の内側と外側から熱を加える。蒸し終わった牡蠣。ほっくり・プリプリで、この状態でもとっても美味しい!
(3)味付け。塩水に付けます。濃度は企業秘密!
(4)干して冷蔵庫で寝かせた後、燻製。(燻製ムラをなくすために、牡蠣はキレイに並べます)燻製部屋は、むせるほど煙がモクモクですごい状況!
(5)手作業で丁寧に瓶に詰め、オリーブオイルに浸します。下に空気がたまらないよう、丁寧に処理します。
(6)完成!!小で約7〜8個、大で約15〜16個の牡蠣が入っています。※牡蠣の数は牡蠣の大きさによって異なります。
そのまま食べて良し、クラッカーに乗せて良し、パスタやサラダにも入れても美味しいよ!オリーブオイルも料理に使えるから便利だね!